2007年09月30日

秋田上陸

秋田へ移動する飛行機に乗った。

安定飛行に入ってから、搭乗前に購入した2冊の本を読んでいた。

うち一冊は、山平重樹さん著「ヤクザに学ぶできる男の条件」。

いくらヤクザでも、「飲む・打つ・買う」のうち、3つともやり続けるようでは、身体が持たないらしい。近年はヤクザの世界も健康管理のための自己管理が重要で、有力どころの組長クラスの人たちの多くは、酒をやめる傾向が強いようである。また、最近は暴対法などの締め付けが厳しく抗争が減ったので、戦わない若い衆が増えた・・・などの、ヤクザならではのエピソードや、現代サラリーマンとの比喩が結構面白かった。特に、「ヤクザも自己管理が重要である」という話は、選手たちにも聞かせたい話であった(笑)。その中で、「できる男は甲斐性がなければならない・・・」という一文も、少し引っかかってはいた。

 

安定飛行に入り、暫くすると飲み物のサービスがある。私はスープを頼んで、本読みながらハーフーしつつ猫舌を駆使して飲んだが、隣の紳士もスープを頼んだ。そしてその紳士はスープだけでなく、客室乗務員にもうひとつオーダーをした。

「このペンダントを2つ」

んんっ? 飲食物やない!と思い横目で見ると、紳士はダッシュボードに備え付けられている機内誌の裏表紙を指し、そこにあるプラチナ(?)のペンダントを注文した。1個1万円以上もするものだが、それを2つも購入するというのだ。客室乗務員は一瞬目を白黒させ驚いたが、すぐに商売顔に戻り、スマイルを振りまきながら、「ただいま品物をお持ちいたします」と、そそくさと席を去っていった。私は咄嗟に妄想した。

「あぁ〜らぁ、○○さん久しぶりじゃない。最近来ないから、ボトル落としちゃおうか、なんて言ってたンよぉ〜。え? 何これ? うわぁ〜、なになに? どうしたのぉ〜?(なにこれぇ、ダッサー、このオヤジ。いかにも飛行機で売ってたっぽい〜) すごぉ〜い。ありがとおぉ〜(さっさと後輩にあげちゃお)。ま、座って座って。水割りにする?」

・・・放置するとそのまま妄想がブレーキを忘れて暴走しそうだったので、すぐに読む本を新渡戸稲造さん著の「武士道」に切り替えた。

しかし、到着後、さくっと現金でそれを購入する紳士を見て、またその前の本の「甲斐性」という単語を思い出した。紳士にとって、店の女の子にペンダントをお土産にするというのは、甲斐性なのだろうか。「男たるもの、このくらいの甲斐性がないといかんのか・・・」と思いつつ、私はそれを見つめた。しかし、「いや、それを甲斐性と言うのか?」という、夜遊びの機会を失って拗ねているあちらの私のツッコミも気になり、なんだか頭の中がローリングクレイドル状態のまま、なつかしの秋田に降り立った。

秋田は、実は私が初めて全国優勝した記念すべき場所である。久しぶりにその場所に降り立つわけで、少しはノスタルジックな感傷に浸る予定だった。あぁ、それなのに・・・。

到着後、ペンダントを購入するその紳士を見ると、中肉中背50代後半会社幹部・・・そんな風貌であった。スーツはグレーで思い切り国産っぽい。おそらく出張だろう。ボクも仕事のデキる人間でいたいのだが、10数年後にはそうなっているのだろうか? なんだかやるせない気持ちになって、さっさと空港を出てリムジンバスに乗った。

疲れてるのかなぁ・・・。



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