2007年04月11日

神戸ユニバーの思い出

スタイルカウンシルの「シャウト・トゥ・ザ・トップ」をDVDで聴きながら一杯飲んでいる。久しぶりに。

この歌と「リドル」を聴いていると、あの時を思い出す。

大学1年の夏。初代表として挑んだ神戸ユニバー。

結果はボロボロだった。6月合宿中に痛めた右肩が悪化し、1500ではベストから1分くらい遅かった。800リレーでは、これもベストから遅れ、チームの予選落ちのA級戦犯となってしまった。

悔しくて、1500のレース後、トイレで一人で泣いた。

その頃、スタンドでは実家から応援に来た両親が、私の散々たるレースを見て残念がっていた。しかし、その横で応援していた地元小学生達ご一行に、こんなやり取りがあったことをあとで聞いた。

小学生:「あの人(=野口)、あんなに遅れてるやん(実は、周回遅れだった)。全然アカンやんか!」

先生:「そう言わんと、応援しいや!」

小学生:「なんで? 絶対勝てんのわかってんのに」

先生:「そんなんわからへん。それより、あの人(=私)は、日本の代表を決める試合で日本の中で勝って、この試合に出られたんや。だから決して弱いわけやない。たまたま、この試合でうまく出来んかっただけや。けど、代表を決める試合であの人(=私)より速く泳いだ人がおらんかったから、ここで泳げるんやで。それだけでも、大変なことなんや。だから、うまく行ってても、ダメでも、ちゃんと最後まで見たりや!」

小学生:「そおかぁ。わかった! がんばれぇ!」

隣でその会話を聞いていた母は、レース後、その先生に深々と御礼を言い、スタンドを去ったそうだ。その先生も、さぞ驚いたことだろう。

そう考えると、いまだに私の右肩が鳴らす「パキッ」という音も、決して無駄ではなかったのだろう・・・と思いたい。努力感と効力感が伴わないとき、時折タイミングよく当時の音楽を耳にすると、こんなことを思い出すのである。



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この記事へのコメント
いつもプッと笑いながら楽しんで読んでいますが、今日は鼻の奥がジーンとしてしまいました。
毎年4連休を取って選手権を見に行っている競泳ファンですが、だんだんと選手の顔や名前を覚えていくにつれてひとりひとりに声援を送りたくなります。B決勝・決勝ともに、全員の選手のコールに自然に拍手をするようになりました。
本当に出場するだけでもすごいこと。どんな結果でも、必ずその選手の底力となることでしょう。
昨年の選手権での解説も選手への共感が感じられて感動しました。今年は解説席のすぐ近くでしたが、あんなに場内の騒々しい中で、時間に追われての解説をされるのはすごいことですね。びっくりしました。
Posted by A.C at 2007年04月12日 10:48
>A.C様
書き込み&選手達への声援、誠にありがとうございます。
頑張っている選手やコーチがいるから、実況や私のような解説も生きるのです。「現場が主役ということを忘れるな!」と、あちらの私は常々口にしています。あちらの彼がいつも何を考えて放送席に座っているかは、多分近々に書かれると思いますので、またご注目いただければ幸いです。
Posted by noguchi at 2007年04月13日 23:59
はじめまして!
「解説の野口さん」しか知らない私ですが、大ファンです。

私は水がこわくて全然泳げなかったのですが40歳を前にして泳げるようになりました。
今、45歳になりタイム云々というより楽しむ気持ちでマスターズ大会にも参加しています。
日本選手権やインカレ、また地方の予選会など、観戦も大好きです。(けっこうあちこちに出没しています)

そこで野口さんが解説だと「やったー!」となるわけです。(笑)

前の方も書いていらっしゃるように予選の段階から観るのが大好きです。
ひとりひとりスイマーとしての道があり、泳ぎきった姿はとてもいい表情をしています。

今年もシーズンが始まり今からわくわくしています。
Posted by mizumizu at 2007年04月17日 15:04
>mizumizuさま
書き込みありがとうございます。水泳は「見る側の視点」を知ると、「やる側の楽しみ」が倍増するスポーツです。私自身も、解説やHPなどを通じて「見ながらやる」水泳ファンがもっと増えることを期待しています。

ちなみにコーチとしては、予選は凄くストレスがかかります。特に初日の予選は何年やっても緊張感が溢れます。
しかしその反面、見る側に立てばそこでの成績がその試合の流れを作りますし、そこでうまく行っていない選手が、どうやって最終日まで立て直すか・・・という視点でも見ることができると思います。
Posted by noguchi at 2007年04月18日 18:29
野口さま
うんうんとうなずきながら読ませていただきました。
ありがとうございます。

>予選は凄くストレスがかかります。特に初日の予選は何年やっても緊張感が溢れます

コーチの気持ちを少し聞くことができ、見る側としてはますます興味深くなります。
2001年に行われた福岡の世界水泳で1500m予選を泳いでいた柴田亜衣選手をずーーーっと見ていたことを思い出しました。

これからの観戦では今までとはまた違った視点でも選手たちを応援したいと思っています。

Posted by mizumizu at 2007年04月19日 14:22
訂正します・・・
昨日スイマガを読んでいて柴田選手の出場は3回目と書いてありました。
・・ということは私があの時見ていたのは?と思い、2001年のスイマガを取り出して確認しました。
貴田選手でした。
間違えてしまい申し訳ございません。

Posted by mizumizu at 2007年04月20日 07:05
神戸のユニバーシアード見に行きましたよ。
野口様と同い年の私。
現役引退して、競泳にふぬけになっていて
競泳を見るのも嫌だったけど、
日本で行われる国際試合はなかなかないからと思い
見に行きました。
野口様はまだこれからの状態だったのですから
悔しい思い出もある意味私からすればうらやましい思い。
あのころ競泳女子は18歳がピークといわれてましたから…。
現役の妹と一緒に見に行って、ソ連の選手に肩を抱かれて写真を撮った 思い出が…。
なつかしい。いい男だったなぁ。
Posted by キャサリン at 2007年05月06日 20:45